あっこ母さんの臼杵ブログ

みなさん、こんちわ。

私が12代目で代表のアイチロといいます。

はじめておふくろのブログを乗っ取ります。


私たちカニ醤油は、家族経営の極小で吹けば飛ぶような弱小会社ですが、
大分県で一番古く今年で412年目の会社で、業種別では九州で一番古い
醸造会社なのです。

長く長くやってきて、昔はすんげえ資産持ちでお金持ちだったそうですが、
親父の頃から180度逆転してウルトラ貧乏へ転落。
今や首の皮一枚で銀行に追われながらヒーコラ言いながらやっていってます。

私たちカニ醤油は、マジで作る、ちょいとシャレで作る、ものすご作る、
嫌々作る、笑いながら作る、の商品つくりが月の半分。

もう月の半分は樽や作った商品をもって各販売店やデパートに売り歩く
のが常となっております。



もうこのままずっとつらい毎日かな、そう思っておったのですが、
昨年末にマジでウチに嫁がきて二人三脚で何とかこの不景気を乗り越え
ようと精進しています。


そして年が明けて、正月が過ぎ、二月に入る頃。
一本の電話が入り、「オーチさんだってさ」とお袋が僕に言います。
え？
と思いましたが、まさかと思い電話に出たら何と東京農業大学
醸造学科の頃の親友、オーチ君ではありませんか。

オーチ君いわく、「カニ君！結婚おめでとう！酒送ったけど」

ええ！？僕にはもらった覚えがなかったのです。
取り合えず、お礼を言い、その場をしのぎましたが、酒など
届いていません。

お袋に聞くと醤油のラベルを貼りながら、
「あー、正月から仏壇に供えちょるがな」と！

「早く、オレに言わんか！もう！」逆ギレの僕であります！

こりゃやばい、一ヶ月も僕は気づかずに居たのです。で、中をみてみると、
愛媛県西条市の銘酒、石槌酒造の清酒が！



どうやら、あのオーチくんは実家を継ぎ、今、工場長をしているらしく、
自分もヒーコラ言いながら仕事しているけど、遠いところのあのオーチ君
もがんばっちょるなあと、なんか商品を見て・・・・ジーンとしてしまいました。



おまけに、律儀に中に手紙と、お祝い袋が。あらららら・・・・。


オーチ工場長、ありがとうございます！！

僕はオーチ君を走馬灯のごとく回想しました・・・・。

田舎から上京し、右も左も分からぬ僕が初めて仲良くなったのが
オーチ君だった。

オーチ君はシモネタなど一切言わないモロに実直で、野球がうまくて、
勤勉な男だった。

僕は風呂ナシトイレ共同の家賃3万数千円のボロアパートだったけど、
オーチ君はお兄いさんと同居でクーラー付きのきれいなアパートで、
学校の近くだったのでよく昼休みとか家にお邪魔させていただき、
昼飯食ったり、「笑っていいとも」を見たりして2人でよく爆笑し
ていた。

また、初めてコロンなるものを田舎モノの僕が格好つけてチョイと
あしらって学校に行ったとき、真剣な顔で、
「オレは柑橘系の匂いのコロンはダメなんや」
とマジダメだししたのもオーチ君だった（笑）。

また、昨日の晩飯残りがあるからとチョイチョイ飯を作って食べさ
せてくれたのも、オーチ君だった。

また、「兄貴の彼女、ウチでトイレ行ったら入った時と、した後に
計二回も水を流すんや。水が勿体ねえわ！」と僕に怒りながら言っ
ていたのも、オーチ君だった（笑）。

また、一週間か10日くらいか、オーチ君の実家の石槌酒造で働かせ
てもらい勉強させてもらった記憶は、今でも鮮烈に憶えている。

そして、卒業アルバムに一人づつ一言コメントを載せるところが確
かあって、僕は多分高価な卒業アルバムは買えないと思い
「これ見たら連絡求む、オーチ君」と書いたような気がする。
案の定、僕は卒業アルバムを買えなくてアルバムはもらえなかった
が、卒業後、一度だけオーチ君から
「見たから連絡したわ」
と電話があったのを憶えている。

東京農業大学醸造学科を卒業した同級生は、味噌屋だったり、
醤油屋だったり、酒造メーカーだったり、そういえば全国に
ちらばっている。

よく考えりゃそのネットワーク、すげえな。





オーチ君、またいつか会おう！
楽しくがんばろうぜ！